インターネット販売には種類があります!
コロナ禍で、インターネット販売に関するお問い合わせをいただくことが多くなりました。
インターネット上でモノやサービスを売買することを、EC(electronic commerce:電子商取引)と言います。大きく分けて、自社EC と モール型EC があります。
令和3年7月に公表された経済産業省の電子商取引に関する市場調査では、
2020年の世界の物販系BtoC-EC化率は 18.0% と推計されています。
同じ調査で、日本は 8.08% となっていて、日本でのECの普及は世界に比べて低いです。
但し、2019 年6.76% から 2020年8.08% と、コロナ禍で大きく伸びています。
実店舗をビジネスの主体としていた小売業者や製造業者が、実店舗での機会損失をECで取り返すべく、新規に市場参入していると思われます。
日本は世界とは人口構成比が違うので、確かなことは言えませんが、まだ伸び代も可能性も残っていると思います。
BtoC・・・Business(企業) to Consumer(一般消費者)
引用:電子商取引に関する市場調査(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/statistics/outlook/210730_new_hokokusho.pdf#page6
インターネット販売には複数の種類があります。
扱う商品や売上規模、集客手段によって使い分けが必要です。
インターネット上にネットショップを作れば、何もしなくても売れるということはありません。
まずは、やりたいことに関連する法律や手続きを調べて、構想を練ってください。
知識が無い状態でビジネスを進めると、意図していなかったトラブルに巻き込まれやすくなるだけでなく、会社の信用問題に発展し、最悪の場合、訴訟になってしまう危険性さえあります。
可能な限りリスクを減らすことで、安心してネットショップを運営することができます。
ネットショップで許可が必要な代表例
- 中古品を扱う場合は、古物商許可
- 食品を扱う場合は、食品衛生法に基づく営業許可
- 健康食品を扱う場合は、医薬品医療機器等法に基づく許可
- 酒類を扱う場合は、通信販売酒類小売業免許
ショップ開設で注意すること
- 宣伝する仕組みがないと売れません
- 電子決済には手数料が掛かります
- 現金が手元に来るまで時間が掛かります
- 扱う商品の価格によっては、送料が大きな負担になります
- 市場調査を行い適正な値つけをしてください(安すぎる値段は信用の面でマイナスです)
- 特定商取引法に基づく必要的記載事項の表示が必要です
- 商品説明の表現でウソや誤解を生む表記はしてはいけません
- ウェブ上にある画像や文を利用する場合は著作権に注意してください
- 商品名やサービスの商標に注意し権利侵害しないようにしてください
法律や手続きに関する知見と心の準備ができたら、ネットショップの構築手段を検討します。
<自社EC>
No | 種類 | コメント |
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① | フルスクラッチ(自社開発) | 開発費1千万円以上、稼働環境が必要 |
② | ECパッケージ | 開発費 500万円以上、稼働環境が必要 |
③ | WordPress | 開発費 数十万円、稼働環境が必要 |
④ | ショッピングカートASP | 設定費 10万円代、利用料は決済金額で決められた割合が多い |
⑤ | クラウドEC | 設定費 10万円代、利用料は決済金額で決められた割合が多い |
<モール型EC>
No | 種類 | コメント |
---|---|---|
① | AMAZON | 男性の利用が多く、商品名やブランド名検索での購入が多い |
② | 楽天市場 | 女性の利用が多く、購買層が高く、色々見て買い物を楽しむ傾向が強い |
③ | Yahooショッピング | 市場規模は他2社と比べて少ないが、商品数と出店の店舗数は一番多い |
ホームページでよく使われているWordPressは、セキュリティに弱い面があり、お客様情報を扱うには不向きです。決済機能もショッピングカートASPより高額になるケースが多いので、お薦めしていません。
まずは試してみたい、初めてネットショップを始める方は、
複数あるショッピングカートASPの中から選んで開設することをお薦めしています。
自分達で設定もできますし、外部に頼んでも高額にはなりません。
本格的にインターネット販売をしたい、在庫管理や発送処理に内部工数を掛けたくない方は、
モール型ECをお薦めしています。送料無料、売上が無くても出店費用が掛かる などありますが、
訪れる方の母数が大きいので、売れる可能性が高いです。
ネットショップを開設した後は、宣伝になります。
モール型ECでは、モールに訪れた方が検索して選んでくれる可能性がありますが、
自社ECでは、ホームページ・SNS・電子広告などの宣伝が必要です。
私自身、ネットで買うのはモール型ECを利用しています。特定の商品が欲しい時だけ、自社ECを利用しています。殆どの方は〇〇商圏と呼ばれるモール型ECを利用されていると思います。
システム・カンタービレでは、ICTコンサルティングとして、
ECサイトのご相談から構築支援まで行っています。お気軽にご相談ください。
ITディレクター 小林 弘樹