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改正電子帳簿保存法をいま一度ご確認ください

早いもので、もう10月も終わりになってしまいました。
長野では、毎朝霜が降りて、車のフロントガラスの霜取りが必要になっています。

改正電子帳簿保存法の施行から、1年が経とうとしています。
宥恕(ゆうじょ)措置中ではありますが、いま一度、運用状況を確認してみてください。

電子帳簿保存法とは

紙での保存が義務づけられている国税関係帳簿書類について、一定の要件を満たすと、電子データによる保存が可能になる。また、電子的に授受した取引情報等を、電子データとして保存する義務が定められた。令和3年度の税制改革において、経済社会のデジタル化の流れを踏まえ、帳簿書類を電子データ保存する際の手続き等について見直しが行われ、令和4年1月1日に施行された。

  • 電子取引データの紙保存禁止
  • 検索要件と保存要件の緩和
  • タイムスタンプ付与後の一括検証 など

私も最初のうち勘違いしていましたが、タイムスタンプは、文書の作成日時、保存先の登録日時ではありません。電子帳簿保存法でいうタイムスタンプは、電子データが存在していた時刻と、その時刻以降に改ざんされていないことを証明するために、認定されたTSA(時刻認証局)が発行する証明のことです。執筆現在、日本で認定されているTSAは、5社のみです。

電子帳簿保存法が改正されるまでは、スキャナで取り込んだ帳簿は、署名の上、タイムスタンプの付与が必要でした。さらにその期間は3営業日以内でしたので、大変厳しい内容でした。対応できた企業も少なかったと思います。改正されたことにより、タイムスタンプの付与期間が、2か月+7営業日に延び、自署の署名が不要になりました。

また、期間内にスキャナ保存を行ったことが証明でき、電子ファイルを保存した時刻が、NTPサーバ(インターネット上で、正しい時刻情報を取得・配信しているサーバー)と同期された時刻で、その時刻が変更されていないこと、異なるシステムへ移行した時に、改変されていないことを証明できれば、タイムスタンプの付与を、保存先の登録日時に代えることが可能になりました。

電子取引の保存についても、電磁記録を受け取ったとき、出力書面(紙)での保管が認められなくなりました。隠ぺい・仮装の申告漏れがあった場合の重加算税も +10% と罰則が強化されています。

その一方で、タイムスタンプの付与期限が、スキャナ保存と同じ2か月+7営業日に延びたことは、正直助かりました。それ以外でも、保存先の検索機能の項目が、取引年月日、取引金額、取引先 に絞られたので、一般的なクラウドサービスを保管先として使い易くなりました。

どうでしょう? 間違いなく運用できていますか?
特にタイムスタンプの部分で、誤解がありませんか?

受け取り側のタイムスタンプの付与が、保存先の要件を満たすと、保存先の登録日時に代えることができるようになったとはいえ、法律上では、送り側のタイムスタンプ付与は免除されていません。
実際には、取引先にタイムスタンプを付与してください、とは言いずらいので、受け取った電子データを、自社で法律の要件を満たして保存するしかないのですが・・・
(実際私も、請求書にタイムスタンプを付与して送信してません)

では、できるだけ安く、法律の要件を満たして保存するにはどうしたら良いでしょうか?

安く を主眼におくと、お薦めは、以下の3つになります。

① 今使っている経理ソフトが、電子帳票保存に対応している場合はそれを使う
経理ソフトは、税務の種類別に分かれて製品になっていることが多く、ちょっと見分かりづらいです。電子帳簿保存するためには、オプション製品を購入しないとできない場合も多いですが、仕訳データと証憑を紐づけた方が、後々の証明がし易いので、可能な限り経理ソフトの機能を使った方が良いです。

但し、経理ソフトも 法定要件認証製品 でないと、優良な帳簿とならず、重加算税が軽減される 特例適用届出書 を提出しても認定されない可能性があります。
法定要件認証は、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会 が行っています。

② MoneryForwardのクラウドBoxを使う
無料で電子帳簿の保存とタイムスタンプの付与ができます。タイムスタンプ付与後の一括検証も、無料でできますので、大変ありがたいです。
但し、いつまで無料で提供されるのかについては、提供会社の事情により変わります。
帳簿書類の保存期間は7年ですので、もし使えなくなってファイルを移動しようとした時に、タイムスタンプの付与が維持されれば問題ないのですが、この仕組みでは、ファイルをダウンロードするとタイムスタンプの付与が外れます。一度使い始めると移行できないということです。
(改変していない証明と考えると当然の動きなのですが・・・)

③ Microsoft365 の SharePoint で、専用のライブラリを作成して使う
Business Basic、Business Standard など、SharePointが使えるプランを契約していれば、SharePointのライブラリを作成して保存できます。
ファイルごとの変更履歴が簡単に確認できますし、全体の変更履歴や削除履歴は、監査ログから確認できます。
日本マイクロソフトが提供している Microsoft 365 電子帳簿保存法対応 ホワイトペーパー に設定方法などが解説されていますので、簡単に作成できます。
但し、経理の仕訳データとの紐づけはできないので、証憑として探すのがちょっと大変になります。

Microsoft 365電子帳簿保存法対応ホワイトペーパー

システム・カンタービレでは、ICTコンサルの観点で、電子帳簿保存環境の構築と、運用設計を支援することが可能です。お気軽にご相談ください。

ITディレクター 小林 弘樹