ソフトウェアの仕様変更で慌てないためには
7月に入ってから、2件ほど、Microsoft Officeで影響範囲の大きい話題がありました。
2022/07/07 VBAマクロの既定でブロックを一時撤回
最新チャネル (プレビュー)で公開され、近々一般公開と言われていた、ダウンロードしたVBAマクロを既定でブロックする方針を、一時撤回して削除しました。
マクロを介したウィルス感染を防止する目的で、VBAマクロが記述されたファイルを、インターネットからダウンロードした場合、ファイルのプロパティへアクセスして、「Mark of the Web」(MOTW、Zone.Identifier)を解除しないとマクロが実行出来ないというものです。
現在の仕様では、黄色い注意メッセージバーが表示され「保護ビュー」が有効化になりますが、メッセージ横の「編集を有効にする」ボタンを押せばそのままマクロを実行できます。
一時撤回というだけで、VBAマクロを既定で実行できなくする流れは変わらないので、データをExcelに入れてダウンロードした後に、VBAマクロでデータを加工するWebアプリケーションは、使い勝手が大きく変わる可能性が高いです。
RPAでExcelVBAを使ってデータ加工している場合も、シナリオ変更が必要となる可能性があります。
追記:7/21に再度有効化した旨の案内あり
一般提供の最新チャンネルで、7/27にロールアウトされるとのこと
2022/07/13 セキュリティパッチの不具合
別のバージョンのAccessで作成されたACCDE/MDEファイルを開こうとしたときにエラーが発生して開けない
2022年7月13日のアップデートが原因で、7/19現在、一部の古いバージョンのAccessを除いて修正プログラムが配布され、復旧済み
影響を受けた方、いらっしゃいますか?
特に Excel は、表計算ソフトですが、セルのサイズを変えることでレイアウトが自由に組めることもあり、文書作成で使われている方が多く、式やVBAマクロを使って、簡単に値を集計・加工もできるので、日本で一番使われている表計算ソフトだと思います。
ソフトウェアの仕様は、時代と共に変わっていくものですが、Microsoft のオフィス製品は、パソコンがインターネットに繋がっていなかった時代から使われているため、様々な使い方をされていると思います。
但し、パソコンにファイルを保存して使用していたやり方を、クラウドストレージに保存して共有するように変えた時、Webブラウザでの操作が必要だったり、変更したはずが反映されなかったりして、戸惑った方も多かったと思います。
やはり、インターネットを介してデータをやり取りする時代では、ファイルにデータを入力・保存して共有するやり方は、合わなくなってきたと思います。
システム・カンタービレでは、Excel・Accessで作成した業務アプリを、kintoneなどのSaaSアプリへ置き換えることも行っています。
作った人がもういない、仕様が分からない、といった場合も、現在の使い方をヒアリングさせていただき、業務効率の改善も含めた置き換えをすることが可能です。
突然の仕様変更で慌てないためにも、未だ使えている今だからこそ、これから先どうするのが良いのか考え、備えておくことが重要だと思います。
お気軽にご相談ください。
ITディレクター 小林 弘樹